カールじいさんの空飛ぶ家

spirit272009-12-11

宮崎駿監督は、もうこう言う映画を創らない。
口惜しいとは思わないだろう。それどころか、笑みながら言うだろう。
「僕がやらなくても創れるんだから、僕が創らなくてもいいでしょ」と。
 
それはオマージュの部分を言っているのではない。
担うべきもの、受け継がれるべきDNAが伝承されているからだ。
 
ツールは進化した。
「表現したいものがあって、それをどう使うか」だと彼の人は言った。
だが日本のCGアニメは、アトムに始まる「省力・誤魔化しリミテッド」によって蓄積された「表現記号」をシステマチックにマスプロダクション化する方向に向かっているようだ。
アニメは嗜好品だが、T型フォードのような工業製品ではない。
カンバン方式でコストを切り詰めて生まれる80点主義に、満足はあっても感動は無い。
二足歩行ロボットやスーリポインテッドスター喰い蛇にこそ夢は宿り、我々は魂を揺さぶられるのである。