サンマリノGP

バトンが給油リグを付けたまま走り出した場面を見て、やはりレース中の給油は禁止すべきだと思った。
確かに満タンのガスを積んだままクラッシュした時の危険性は懸念されるが、ピットが火ダルマになる方が怖い。
何よりも、コース上のバトル以外の部分が勝敗の大きなファクターを占めていると言うのが問題だ。
ピットインのタイミング次第で順位の逆転が可能だから、先行車を無理して抜かない。
だが、本当のドラマはその"無理をする"部分に潜んでいるのだ。限界での競い合いが持つ興奮、もしやすると接触によるアクシデント…予測不能の展開こそが真のドラマだ。
何が何でも前へ出ようとする熱い闘争心、それが「レース」である筈だ。
コース上のバトルがすべてとなれば、カーヴでインを閉めるような行為は無くなるだろう。ぶつかったら終わりなのだ。抜けるなら抜いてみろ!と言う"騎士道精神"がデッドヒートを生み、レースを盛り上げるのだ。
それを実践したジル・ヴィルヌーヴは伝説となる程に愛されたレーサーなのだから。