テンプリズム

テンプリズム

スピリッツ立ち読み。
だがワクワクゾクゾクせず。やんぬるかな。
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初のジャンルだからか、教習所の卒検のような安全運転の出発。
ファンタジー物としては、やるべき世界設定の説明。減点は無い。
だが、突出した加点も無い。昔のカローラのような「80点主義」だ。
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例えば大吾の1ページ目、炎の中で泣きじゃくる幼い主人公。
例えばcapetaの、「この少年は、戦争に行く!」と叩きつける期待感。
主人公の後ろに世界が付いてくる感じ、それが無い。
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設定の説明から入ってしまっているので、「家族同様」の家臣達が「信頼していた剣の師匠」の裏切りで殺されると言う最大のヤマ場が「フラグの消化」になってしまって、燃えない。
残念なのはそこである。
冒頭の数ページは、あの鎧を着た猛禽に乗って敵をなぎ倒すツナシ、と言うハッタリが欲しかった。そして始まりを回顧する…それならば、もっと熱くなれたと思う。
恐らくその選択肢は考えられ、そして取捨選択されたのだろうけれど…
ビジュアルによって有無を言わせず何の説明も要らず、世界観と主人公をクロスカウンターで読者に喰らわせるのが持ち味ではなかったのかと思うと、惜しい。
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今回はガンダムアムロ的なものを目指しているのかもしれない。
伝説を語るのではなく、作者・読者とともに創って行く。
そう受け止めて、コミックスを待つ。
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何だかんだ言っても、俺は曽田正人信者なのだ。