のだめカンタービレ最終楽章 前編

spirit272009-12-28

期待を裏切らない面白さでした。
千秋にスポットを当て、ドラマでのSオケ成功までの過程を反復する展開を縦軸に据えたのは正解だと思う。
原作をすべてなぞるのではなく、捨てるべき所をバッサリと切ったのも良かった。
長期連載漫画の、横に広がったサブキャラクター話は映画の尺には収まらないからだ。
原作ファンにとっては不満な所だろうけれど、これは「映画」と言う"レース"仕様にチューンナップする為の軽量化として受け入れよう。
 
僕は、のだめカンタービレが実写として成功したのは竹中ミルヒーの存在が鍵だと思う。
明らかな日本人を付け鼻鬘で強引にドイツ人と言い張った事で、彼が存在する「のだめ世界」そのものが漫画的な空間と成り得た。
ミルヒー特異点として漫画のだめと実写のだめが行き来可能になったのである。
この変換エンジン、何者にも代え難い。