スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

spirit272007-09-21

嫌いではない。アミューズメントとしては面白い。
が、"映画"としては好みじゃない。
フルスロットルで駆け抜ける富士スピードウェイのメインストレートにシケインをいくつも付けちゃった感じ。
まず余計な遊びが多すぎるし、主人公不在の状況説明描写が長すぎる。
制作者の言うとおり主人公は「風」でもいい。だが「空気」では困るのだ。その『「風」の吹き方』に観客の興味を引き付けなければ我々はただの傍観者になってしまう。動物園の猿山を眺めに来たのではない、映画を楽しみに来たんだから。
30分切れば観やすくなるんじゃないかな。ただ、僕が余計だと感じている部分がこの映画の面白みなのかもしれないし、そうなると善し悪しの拠り所は僕との嗜好の違いでしかないのだが。

普通に日本語のセリフで、遊び要素を排除してしまったら、単に"『用心棒』を翻案した『荒野の用心棒』を再び翻案した"映画になってしまうかもしれない。
勢いで突っ走らせなかったから、"翻訳サイトで英語に翻訳した日本語を再び翻訳した"ような、片言で素っ頓狂な味わいになったのかもしれない。