武士の一分

冒頭、メインタイトルの次に毒見役についての説明文が出る。説明が必要な時代になってしまったのか…

敵役の板東三津五郎は、腹黒さとか人間的厭らしさが匂い出ていないタイプの役者だと思う。故に、憎みきれず、果たし合いにカタルシス不足を感じる結果となった。
女房役の壇れい、所作が美しく流石は宝塚仕込み。が、発声も宝塚仕込みが抜けきらず、下級武士の御新造にしてはやや上品に見えた。
キムタクはキムタクだったが、これも大スターの証明か。過去にも裕次郎裕次郎だったし、勝新勝新だった。
芝居が成っていなければ問題だが、役を演じた上でそれ以上に大きなイメージである"キムタク"が発散されてしまうのだから、最早宿痾であろう。

時代劇には金がかかる。映画の枠組みで続々と作られる傾向になったのは喜ばしい。