虹の女神
上野樹里なので観たかった。観てきた。
"切ない"と言う感情は、はっきりとは表現し辛い。
喜怒哀楽の四方向に振れるか振れないかの辺りを積み重ねて醸す、それが"切なさ"だ。
映画を撮ってみたかった自分。そして高校時代、曲がりなりにも一度は撮った経験。
確かめたいのに、触れたら壊れてしまうかもしれない事が怖くて踏み出せない想い。
この映画にはそんな、不可逆に眺める事しか出来ないあの頃が詰まっていた。
失った時間が最後に奔流となって繋がる。すれ違い、伝わらなかった恋は、SFだ。
上野樹里のピュアで不器用で、強がって気弱なヒロインの演技が、良い。
そこにのだめは居なかった。想像すら出来なかった。
脇を演じる俳優達も抜群だ。