F1-89

spirit272006-01-20

今日の27番車はマンセルのマシン。確か「640」という名称だったと思うのだが…。
パドルシフトのセミオートマを初めて採用した画期的なマシン。当時は信頼性が無いとか言われたが、今や至極スタンダードな機構である。加えてカモノハシと表現されたノーズが特徴的な斬新なスタイルは、以後のF1デザインの基調となる。マクラーレンが模倣し、セナに「速いマシンが欲しいと言ったからフェラーリそっくりに作ってくれたんだ」と言わしめたのである。
多くの点においてエポックメイキングなマシンだった。

マンセルも熱いレーサーだった。フェラーリ時代の逸話は数多い。先行するベルガーを追い抜こうとしてダートにタイヤを取られスピン、したかと思ったらくるりと一回転した時点でぴたりとスピンを止めて何事もなかったかのようにまた猛然と追走を始めた(僕はこれをマンセルターンと呼んでいる)90年サンマリノ。黒旗を無視して走り続けセナと接触したりとか…。
セナ足とは対照的な全開、全閉のアクセルワーク(スズカで実際に聞いて感じた)。ガンガン飛ばすその走りは、やはり27番に相応しかった。